買付先が「日本へは送れません」と言ったとき、どうするか

海外の室内で黒いコートを発送用の箱に詰める様子。右上に「買付先が『日本へは送れません』と言ったとき」、小さく「転送会社と、買付パートナー。」と記載。

前の記事で、BUYMAの買付先に送る英文メールをAIに書かせた話を書きました。

→ BUYMAの買付先に送る英文メールを、AIに書かせてみた

そのメールで「日本へ発送できますか」と聞いて、断られる店はあります。 そこで諦める必要はありません。

方法は2つあります。現地の転送会社を挟むか、現地の買付パートナーに頼むかです。 どちらも、買付先の販売・配送条件で認められる範囲で検討します。

ただし前の記事の最後に書いたとおり、私は当時、エルメスだけはこの方法を使いませんでした。 その理由も、この記事に書きます。

目次

方法① 現地の転送会社を挟む

私は2017年から、日本直送と転送会社を併用していました。店が日本に送ってくれるならそのまま、送ってくれないなら現地の転送会社の住所に送ってもらい、そこから日本へ転送する。

使っていたのはヨーロッパとアメリカの両方で、特にイギリスの転送会社が多かったです。

転送を挟むと、実際どうだったか

私が当時使っていた店では、仕入れは安くなりました。 日本直送より、転送を挟んだほうが安く上がった。

理由は送料ではなく、商品価格そのものです。

転送会社を使って現地向けに注文すると、現地価格で買える店がありました。VATがかかる店もありましたが、それでも現地価格のほうが安かった。 VATと転送料を両方払っても、日本直送より下がるケースがありました。

つまり比べているのは「送料の差」ではなく「その店で日本向けに買うのと、現地向けに買うのとの価格差」です。ここが効きました。

当時、私が見ていた店では、日本向けの表示価格が現地向けより高いことがありました。 特に大手で、その差を感じていました。

ただ、表示価格の違いだけで、直送のための上乗せだと断定はできません。税や送料がどこまで含まれるかも含めて、同じ条件で比べる必要があります。

日本直送の店だけを見て回っていた頃と、転送を選択肢に入れてからでは、同じ商品でも見える値段が違いました。今も必ず安くなるという話ではありません。商品代、現地の税、送料、転送手数料、日本での関税・消費税まで含めた総額で比べる話です。

日数はかかります。 ただ、私が当時使っていたルートでは、それでも2週間以内には届けられていました。 当時、商品ページに書いていた納期としては成立する範囲でした。

手間は増えます。 ここは正直に書きます。店とのやり取りに加えて、転送会社側の手続きが乗る。追跡も2区間になる。

ただし、これも時期の話です

私が転送会社を使っていた2017〜2018年は、イギリスがまだEUを離脱する前でした。離脱は2020年1月31日、移行期間が終わったのが2020年12月31日です。出典:英国国家統計局の解説。

当時のイギリス経由と、今のイギリス経由を、同じ条件では比べられません。 EUとの関係が変わったため、税や通関の扱いも、現在の条件で確認する必要があります。

現在の個別ルートの費用や納期は検証していません。 今から始める人は、自分で確認してください。私に書けるのは「当時はこうだった」までです。

転送会社が、そもそも使えないブランドがある

ブランドや購入する国のサイトによっては、転送会社を使えません。 規約で断られます。

エルメスは、米国向け公式サイトの販売条件で、転送業者の住所への注文を処理しないと明記しています。

HERMÈS will not process any order for which a post office box, APO/FPO/DPO, parcel pick up, or parcel forwarding address is provided.

出典:エルメス米国版 一般販売条件「6. Shipping and Delivery」内の住所への配送に関する項目。

ルイ・ヴィトンも、日本版のサービス利用規約に次の記載があります。

私書箱への配送は承っておりません。また、指定されたお届け先から、ご購入いただいた製品が転送される可能性がある配送先へのご注文は承りかねます。

出典:ルイ・ヴィトン日本版 サービス利用規約 第8.8条。

「転送される可能性がある配送先」です。転送会社の住所に限らず、転送が想定される配送先への注文を断れる内容です。

そして両社とも、再販売目的の購入についての制限を持っています。

Purchasing products on the Website intended for commercial resale is strictly prohibited.

これはエルメス米国版の一般販売条件第1条にある、商業的な再販売を目的とした公式サイトでの購入を禁止する記載です。出典:エルメス米国版 一般販売条件。

ルイ・ヴィトン日本版の第13.5条では、営利・転売目的と判断した購入について、申込みのキャンセルや今後の注文を断る場合があるとしています。出典:ルイ・ヴィトン日本版 サービス利用規約。

ここで引用しているのは、エルメスは米国版、ルイ・ヴィトンは日本版の規約です。別の国のサイトや店頭購入に、そのまま同じ条件が適用されるとは限りません。

誤解のないように書いておきます。ブランドの販売条件と、並行輸入の適法性は別に確認する必要があります。

日本では、真正商品の並行輸入は一定の要件を満たせば、商標権の侵害に当たりません。 ただし「本物ならすべて無条件に合法」という意味ではありません。商標の付され方、国内外の権利者の関係、品質の実質的な同一性などが判断に関わります。出典:JETRO「ブランド商品の並行輸入における留意点:日本」。

ここで取り上げた規約は、ブランド側が販売を断る条件を定めているという話です。

起こり得るのは、注文をキャンセルされる、今後の注文を断られる、といったことです。ここで説明しているのはブランド側の注文受付の制限で、BUYMAのアカウント停止についての説明ではありません。

私自身は止められた経験がないので、「実際に止められます」とは書けません。書けるのは「規約上、ブランド側が断れることになっている」までです。ただ、仕入れが止まれば商売も止まります。そこは頭に入れておいたほうがいい。

私が当時、エルメスを転送会社や買付パートナー経由で扱わなかったのは、こうした販売条件への懸念があったからでした。なお、今回引用したのは現在確認できる規約で、2017〜2018年当時の条文を確認したものではありません。

規約は各ブランドの公式サイトで読めます。扱うブランドを決める前に、自分で読んでください。 内容は変わりますし、国や購入方法によっても違います。

方法② 現地の買付パートナーに頼む

もうひとつ、現地に住んでいる人に買ってもらうという手があります。

そして、これは①の代わりというだけではありません。 店頭でしか買えない商品や、現物の確認が必要な商品でも、現地にいる人の手を借りられます。

現地限定品もそうです。 その国のその店にしかなくて、日本に入ってこないもの。オンラインやメールでは情報を得られず、現地にいる人が見に行って初めて分かる場合があります。

店が日本に送ってくれなくても、購入や配送の条件が認める範囲で、現地の人に受け取って日本へ送ってもらう。店頭にしかない商品を、見に行ってもらうこともできます。

ただし、現地の人に頼めば、転送や再販売についての制限がなくなるわけではありません。 直営店での購入も含め、購入先の条件を確認してから依頼する必要があります。

転送会社との違いは、人が間に入ることです。

私が利用していた転送サービスでは、基本的に店とのやり取りは自分でやっていました。買付パートナーなら、店に行って現物を見て、状態を確認して買う、というところまで任せられる。そのぶん費用はかかります。

探し方

私はクラウドワークスで探しました。現地在住の条件で募集をかけて、見つかった人に頼んで、実際に買ってもらっています。

今ならXでも探せると思います。 現地在住の日本人の発信から声をかける、あるいは募集をかける。こちらは私はやっていないので、可能性の話です。

費用はどれくらいか

私が頼んでいた頃の金額は覚えていないので、現在公開されている募集の条件を確認しました。 以下は相場全体ではなく、依頼する側が提示した一つの募集例です。

クラウドワークスに2026年9月7日掲載の、米国オレゴン州在住者向けの募集では、次のように分かれていました。

  • 店舗での購入・発送:3,500円/件
  • オンラインでの購入・発送:2,000円/件
  • 在庫確認:100円/件
  • 実物写真の撮影:100円/1商品

出典:クラウドワークスの募集例(ID:13430518)(2026年9月16日確認)。

この募集の在庫確認は、電話やWhatsAppでの確認です。店まで行って在庫を見てくる作業が100円、という意味ではありません。

商品代金をいつ渡すか、交通費・送料・梱包費を誰が負担するか、送金方法をどうするかは、報酬とは別に決めておく必要があります。

※ 依頼側の提示額であり、成立した契約額や実際の手取り額を確認したものではありません。地域や依頼内容、手数料の扱いによって変わります。

やってみて分かったこと

在庫切れが多かったです。

ここが一番の誤算でした。頼んで、店まで行ってもらって、無い。 これが結構ありました。

店頭にしかない商品が、必ず少量しかないとは限りません。ただ、私が探していた商品では、ネットに在庫が出ておらず、事前に確認できないまま依頼する場面がありました。行ってみないと分からなかった。

だから、この方法は「行けば買える」ではありません。 空振りが混じる前提で組む必要があります。

そして空振りのとき、相手は動いています。 店まで行って、探して、無かった。ここをどう扱うかを先に決めておかないと、続きません。報酬の出し方、連絡の頻度、支払いの方法。人に頼む以上、転送会社より決めておくことが増えます。

ここで、さっきの「在庫確認」が効いてきます。

先ほどの募集例では、店舗での購入・発送が3,500円、電話やWhatsAppでの在庫確認が100円と、別の作業になっていました。

いきなり買付を頼まない。まず、できる範囲で在庫確認を頼む。 在庫が確認できた店だけ買付に進む。店頭へ行かないと確認できない場合は、その訪問費用も別に相談する。

私が頼んでいた頃、そういう分け方をしていませんでした。毎回「買ってきて」で頼んで、無かったら空振り。確認と買付を分けて依頼する組み方は、当時の自分にも使えたと思います。

ただし、在庫があると聞いても、買うまでに売り切れる可能性は残ります。取り置きの可否も一緒に確認できると、次の動きを決めやすくなります。

そして、セレクトショップなどで扱われている商品なら、先にメールで在庫を聞いて、返事があった店にだけ行ってもらうという組み方もできます。前の記事に書いた英文メールが効くのは、まさにここです。

→ BUYMAの買付先に送る英文メールを、AIに書かせてみた

BUYMA側から、レシートを求められることがあります

もうひとつ、人に買ってもらう方法を選ぶ前に知っておいたほうがいいことがあります。

購入者がBUYMAの鑑定サービスを申請すると、商品を事務局へ送り、第三者機関と提携した鑑定が行われます。結果を待つため、取引完了まで時間がかかる場合があります。出典:BUYMA「鑑定サービスについて(出品者向け)」。

また、BUYMAは出品者の審査として、買付け時のレシート提出などによる買付先情報の確認を行うと案内しています。鑑定だけに限った話ではありません。出典:BUYMA「偽物販売防止の取り組みについて」。

私も求められて、出しました。

ただし、聞かれたのは自分で買ったものだけです。

買付パートナーに買ってもらった商品で鑑定が来たことはないので、そのとき購入証明の名義がどう扱われるかは分かりません。 店や購入方法によっては、レシートや請求書などの購入証明にパートナーの名前が記載される場合もあります。ここは経験していないので書けません。

人に買ってもらうという方法を選ぶなら、必要な購入証明や名義の扱いを先にBUYMAに確認しておいたほうがいいと思います。

まとめ

  • 「日本へは送れません」と言われても、転送会社を挟むか、現地の買付パートナーに頼むかを検討できる。買付先の条件の確認が前提
  • 私の当時の経験では、現地価格で買い、VATや転送料を払っても日本直送より安くなるケースがあった。 今は総額で比較する必要がある
  • エルメス米国版とルイ・ヴィトン日本版の規約には、転送先への配送や再販売目的の購入について制限がある
  • 店頭商品や現地限定品では、現地の人による確認や買付が選択肢になる。 パートナーを挟んでも販売条件は確認する
  • パートナーに頼むと在庫切れの空振りもある。 まず在庫確認を依頼する組み方がある。電話確認と店舗訪問は分けて考える
  • BUYMAから買付けレシートなどを求められることがある。 パートナー経由の場合に必要な書類と名義の扱いは、事前に確認する

※ 規約・募集内容の確認日:2026年9月16日。規約は変更されますし、国や購入方法によっても異なります。実際に扱う際はご自身で最新の条件をご確認ください。

※ 買付パートナーの報酬は、出典を確認できた一つの募集例です。市場全体の相場や成約額を示すものではありません。

※ 記事中の転送会社・買付パートナーの体験談は2017〜2018年の経験に基づきます。制度も費用も納期も変わっています。

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